生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2007年度 中間評価結果

イルカ型対象判別ソナーの開発

技術コーディネーター

赤松 友成((独)水産総合研究センター水産工学研究所)

参画機関

(独)水産総合研究センター水産工学研究所、古野電気株式会社、東北学院大学

【研究内容】

魚種別の漁獲可能量を決定することは国連海洋法条約に定められた各国の義務であるが、現状では魚種ごとの資源量を的確に把握できる技術がない。そこでイルカ型ソナーをモデルとして、高精細で対象の種類を見分けることができる新しい海中観測技術を実用段階にまで高め、目標とする魚を素早く的確に認知し判別することができる広帯域対象判別ソナーを開発する。

【中間評価結果概要】

イルカ型ソナーの開発は世界初であり、現在、計量魚探として我が国の試験・研究船に標準的に装備されている外国製(シムラッド社製)を凌ぐことが期待できる。世界最高水準の測器を開発することはSmart fisheryを目指す上で、国策として極めて重要である。当該研究分野あるいは機器開発の点では、世界のトップレベルに並べる研究チームであると評価できる。コンソーシアムを構成する3者が、連携してそれぞれ当初目標をクリアーする成果をあげてきている。コンソーシアム全体の研究成果発表(学術論文)も順調であり、コア技術についての特許出願にも至っている。
研究は、おおむね実証的に優れており、今後の発展が大いに期待できる。しかしながら、更なる技術の深化あるいは、実証化のためには魚体内部構造の推定アルゴリズム開発が最も大きな鍵を握っていると思われる。コンソーシアム内での資源の再配分、集約化・重点化が特に求められる。
コンソーシアムの良好な連携は今後とも更に深め、残された短い時間を有効に生かして、国内外で本技術が早急に認知されるように全力を傾けてほしい。当該分野でこの間に失われてきた国際競争力を再び向上させる原動力となることを期待する。