技術コーディネーター氏名および所属
林 重徳
(佐賀大学低平地研究センター)
具体的な研究内容
底質が急速に悪化している有明海では、底棲生物の生息数が激減し、特産のアゲマキやタイラギの漁獲も極端に減少したため、底質改善と底棲生物回復が緊急の課題となっている。
このため、浚渫する底泥を用いた潜り囲繞堤(注)工法、水質浄化機能を持つ底質改善材、固結した海底・干潟を耕耘する機械の開発等を含むシステムを開発し、有明海北部において実証する。
(コンソーシアムの構成)
- 底泥・底質等の調査、潜り囲繞堤工等の底質改善工法の開発
佐賀大学 低平地研究センター - 底棲生物の生息調査及び潜り囲繞堤工に適応する底棲生物種の解明
佐賀県有明水産振興センター - 底泥浚渫-脱水装置、固結底質層耕耘機械等の開発
(株)ワイビーエム - 発泡廃ガラス材等を用いた底質改善材並びに工法の開発
日本建設技術(株) - 開発された機械を用いた底泥浚渫-囲繞堤築造、固結底質耕耘等の施工技術の開発
松尾建設(株)
予想される成果、効果
有明海における底質改善事業が創出され、潜り囲繞堤内での底棲生物の回復が期待される。中でも、干潟域のアゲマキの増養殖事業や深所でのタイラギ漁場の再生復活とともに、アサリ等他の底棲魚介類の新たな増養殖事業の創出が期待される。これらにより、"豊穣の海・宝の海"有明海の再生に貢献する。
*注) 潜り囲繞堤・・・・海面下に設置し、一定面積を囲い込む堤防