生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2002年度 採択された研究課題

チオレドキシンを応用した機能性食品の開発

技術コーディネーター氏名及び所属

淀井 淳司
淀井 淳司(京都大学ウイルス研究所)

具体的な研究内容

チオレドキシン(TRX)は抗酸化作用をはじめ,アレルギーの予防・改善,粘膜の保護やさまざまなストレスに対する生体防御因子としての効果が期待されている細胞内抗酸化物質である。このようなTRXを体内で発現させる物質(TRX誘導物質)を野菜などの植物成分から探索し、また抽出する技術開発を行い、抗ストレス等の健康機能を有する食品を開発する。さらに酵母にTRXを多く生産させるための技術を開発し、TRXの持つアレルギーの予防・改善,粘膜の保護および抗酸化効果を利用したTRX含有機能性食品の実用化を目指す。

(コンソーシアムの構成)

  • TRX誘導機能性食品の免疫学的・生化学的評価
    京都大学ウイルス研究所
  • 酵母におけるTRX誘導機構の解明と機能性食品開発への応用
    京都大学大学院農学研究科
  • TRX含有新食品素材の開発
    オリエンタル酵母工業(株)
  • 野菜等に含まれるTRX誘導物質の探索
    レドックス・バイオサイエンス(株)
  • TRX誘導・含有機能性食品の開発
    (株)ロック・フィールド

予想される成果、効果

本研究により、抗ストレス、抗アレルギー、抗がん作用などを持つようなTRX誘導性の機能性食品の開発が期待される。さらに、1)TRXの抗炎症作用を利用した口腔,胃,腸などの粘膜保護食品の開発、2)TRXの食品の質的改善作用を利用した低アレルゲン化食品の開発、3)TRXの抗酸化作用を利用した食品中の有効成分の酸化防止に応用すること等が期待される。
また、本研究により、TRX誘導物質を多く含む野菜の需要が増加することによって、国内産地が活性化されるとともに、新たな食品産業が創出されることが期待される。

チオレドキシンを応用した機能性食品の開発