技術コーディネーター
五十部 誠一郎
((独)食品総合研究所)
具体的な研究内容
微細水滴を100度以上に加熱した気体媒体(アクアガス(注))を用いて野菜などの農産物を高品質な汎用食材として調整する装置・技術を開発し、また本技術による調製食材の利用性を明らかにする。
この技術で調製された汎用食材は、高品質で野菜表面の雑菌が除かれ、野菜を分解して溶かす厄介な酵素も無くなるため、冷蔵庫での貯蔵においても素材の品質が良好に保たれる。また野菜本来の色調・味・香り・歯ごたえも残っていて、そのまま食品および多目的調理食材のいずれとしても利用できる。
【コンソーシアムの構成】
- アクアガスの基礎特性の解明
<独立行政法人食品総合研究所> - アクアガスを用いた調製装置の開発
<株式会社タイヨー製作所> - アクアガス食材の基礎的加工特性の解明
<女子栄養大学> - アクアガス食材の食品加工特性の解明
<株式会社ローズコーポレーション> - アクアガス食材の調製技術の開発
<有限会社梅田事務所>
期待される成果、効果
国民の食生活には旬の美味しい野菜の提供が求められている。このため、アクアガス加熱装置を開発し、これによる高品質の汎用食材およびこの汎用食材の特徴を活かした調理食品、加工食品を開発する。これらの成果は、開発装置製造の産業化、地域農業の振興・活性化、および食品加工産業の振興・新事業化をもたらす。
(注)アクアガス:当該研究課題において、噴霧・加熱処理などで調整装置内に発生された100°C以上の微細水滴・水蒸気などからなる気体媒体をアクアガスと呼ぶ。