生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2004年度 採択された研究課題

沖縄更新世琉球石灰岩島への削井及び井戸海水によるアワビ等水産養殖の開発

技術コーディネーター

田中 淑人
田中 淑人(鹿児島大学水産学部)

研究実施期間

平成16年度~17年度(2年間)

研究の目的・概要

本研究は沖縄諸島に散在する更新世琉球石灰岩島に着目し、石灰岩層に海水井戸を削井し、井戸海水を取水する。 この井戸海水は細菌・ウイルス等微生物の現存量が表層海水の 5%以下と清浄で水温は深度に依存すると考えられる。 この井戸海水を用いて温帯に生息するアワビ等高級魚介類を至適水温下に陸上施設を用いて養殖する新システムを案出し、周年超促成養殖生産を確立する。本技術の成果は高生産性を有する新養殖水産業を亜熱帯地域に誕生させ、離島産業の育成をはかると共に、富栄養化によって病害に苦しんでいる国内養殖水産業にこれを回避する手法を開示するものである。 本研究の骨子の第1は海水井戸適地選定、掘削手法の確立、井戸海水の確保であり、第2はアワビ等高級魚介類の超促成陸上養殖でありこれらが結合してベンチャー企業への導出をはかることである。

期待される成果、効果

新会社の提供商品は当初はアワビである。本方法によって現行のアワビの養殖期間3年を半年に、生存率10%を90%にまで高まる高効率の生産が待望される。アワビの市場価格は現在7~10千円/kgである。 生産量は当初10t/年から出発し最終目的は500t/年、売上35~50億円を予定している。 更にその他の魚種も逐次増やしアワビの1割の売上を期待している。

沖縄更新世琉球石灰岩島への削井及び井戸海水によるアワビ等水産養殖の開発