生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2004年度 採択された研究課題

竹材のみからなる自己接着性繊維および竹粉体の利用開発

技術コーディネーター

橘田 紘洋

橘田 紘洋
(愛知教育大学教育学部)

研究実施期間

平成16年度~17年度(2年間)

研究の目的・概要

本研究は、竹材の200°C以下の低温における熱分解過程を明らかにし、竹繊維、竹粉体の高度利用を目的とする。具体的には熱分解による竹繊維の自己接着性を利用したボード、マットの製造、並びに熱処理粉体の流動性を利用したプラスチック状成形体の製造、さらには活性竹粉炭の製造技術を開発する。

竹は樹木と大きく異なり、維管束鞘繊維が長く剛直であると共に柔細胞の比率が高い。このことは適正な処理条件の下では自己接着性や流動性発現に有利であり、軽量で撓みの大きいボードやプラスチック状成形体の製造がより容易なものと考えられる。

一方、木材、石炭、ヤシ殻の活性炭製造はその種類に応じた製造技術が確立しているが、竹材は灰分含量が多いこと等も原因して、未だに効果的な活性竹炭の製造技術が開発されていない。

期待される成果、効果

  • 省資源・省力化による竹産業資源化:製品化のための投下エネルギーを極力少なくして従来製品の代替を図ろうとしている。そのため製品のコストを下げる技術開発は元より、竹材の総てを原料化して無駄を出さないシステムを組んでいる。
  • 低環境負荷竹製品:繊維化に際しては自己接着性能を高め、合成樹脂を使わずに成形可能にすることによって、使用済み時の廃棄を容易にさせている。
  • プラスチック代替竹資源:将来の供給が危ぶまれている石油製品の代替資源とする。しかしながら環境負荷は天然物質と同等である。
  • 荒廃している竹林の有効利用と環境改善:竹を産業資源化することによって、荒廃している竹林を再生すると共に、里山の有効活用を図る

竹材のみからなる自己接着性繊維および竹粉体の利用開発