生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2005年度 採択された研究課題

ダイオキシン類モニタリング用植物の実用化

研究代表者

大川秀郎
大川秀郎(福山大学グリーンサイエンス研究センター)

研究実施期間

平成17年度~18年度(2年間)

研究の目的・概要

1.ダイオキシン類の簡易スクリーニング方法

これまでに、ダイオキシン受容体(AhR)を改良した組換え型AhRにダイオキシン類が結合するとレポーター β-グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子を誘導発現して、GUS活性の測定によってダイオキシン類を検出する遺伝子組換え植物を作出した(タバコ、シロイヌナズナ)。

本遺伝子組換え植物を用いて実験室で土壌、水、産業廃棄物、飼料、農水畜産物、ヒト試料などのダイオキシン類を測定する簡易スクリーニング方法を開発する。

また、本方法のバリデーションと精度管理を確立する。

2.環境モニタリング園芸植物の開発

これまでに組換え型AhRにダイオキシン類が結合すると花色素合成酵素抑制遺伝子を誘導発現して花色の変化でダイオキシン類をモニタリングする花卉新品種の作出技術を確立した(ペチュニア、トレニア)。

本技術を用いて、ゴミ焼却場、産業廃棄物処分場、工場跡地などの野外の汚染現場で花色の変化でダイオキシン類をモニタリングする花卉新品種を作出する。

また、遺伝子組換え植物の生物多様性影響評価を実施する。

期待される成果、効果

ダイオキシン類の簡易スクリーニング方法とモニタリング用花卉新品種の実用化はダイオキシン類測定市場で活用できる。これらバイオモニタリング技術は、生態・環境及び人の健康への影響評価、農水畜産物、飼料などの安全性確保、並びに、土地再利用や資源リサイクルに貢献する。

ダイオキシン類モニタリング用植物の実用化