技術コーディネーター
酒井 正博(国立大学法人宮崎大学農学部
研究実施期間
平成18年度~22年度(5年間)
研究の概要
わが国のクルマエビの養殖は、ウイルス性の疾病の蔓延と沿岸海域の汚染のために大きな危機に瀕している。本研究は、最先端の疾病予防対策としてのワクチン開発と病原ウイルス高感度検出法の確立、新規親エビ育成用飼料の開発、プロバイオティクス(有用微生物を利用して腸内細菌の状態を健常にし、病気になりにくい体を作る予防医学)を用いたバイオ飼料の開発、環境に優しい環境制御型飼育施設の構築を柱としている。これらの技術を有機的に融合するとともに、総合的に展開して、安全・安心・健康なクルマエビの生産技術を開発し、新しいクルマエビ養殖システムを構築する。
【コンソーシアムの構成】
- ワクチンによる病原体フリー親エビの作出、ウイルスの高感度検出法の開発ならびに環境御 型飼育施設の開発
<国立大学法人宮崎大学農学部 酒井 正博> - 親エビ育成用飼料および成熟促進飼料の開発とエビの完全養殖法の確立
<国立大学法人鹿児島大学水産学部 越塩 俊介> - エビ腸内および天然海域由来の細菌叢を活用してプロバイオティクスによる免疫増強・産卵 促進用新規バイオ飼料の開発
<株式会社九州メディカル 前田 稔>
期待される成果、効果
ワクチン開発、診断法の開発及びバイオ飼料の開発により病原体フリーの健康親エビを作出する。さらに、環境制御型飼育システムによる環境にやさしい飼育法の確立によって、繁殖・再生産が可能な完全養殖システムを確立する。この技術は、わが国ばかりでなく、世界各国で行われているエビ養殖に持続的養殖の新たな展開を示すものとなり、世界の安定的エビ生産と環境の保護に貢献する。