研究代表者(所属機関)
鎌田 八郎(独立行政法人農研機構 畜産草地研究所)
研究参画機関
独立行政法人農研機構畜産草地研究所
共立製薬株式会社
地方独立行政法人北海道総合研究機構農業研究本部根釧農業試験場
地方独立行政法人北海道総合研究機構農業研究本部畜産試験場
総合評価
当初目標を達成
講評
胎盤剥離誘導物質の原薬12-KETEの組み換え酵素法による合成の確立に成功し、そのスケールアップにより合成費用を1gあたり290万円にコストダウンできた。さらに合成した12-KETEを用いて、その評価法及び安定化法を確立した。さらなるスケールアップによって、製剤原価のさらなる低減が図れる可能性を示した。
胎盤剥離誘導物質12-KETEの牛生体内機能を明らかにし、12-KETEの実用化技術として、初産牛における胎盤停滞を伴わない分娩誘起技術を開発するとともに、同物質の迅速な代謝、乳への移行がないことを確認し、乳用牛、肉用牛(黒毛和種)の分娩誘起時の胎盤剥離の有効性を実証した。これは、所期の目標をほぼ達成する成果が得られたと評価される。
しかし、新規開発でかつ長期間実験系の確立に時間が必要としても、学術的な成果公表が全くないこと、申請特許の内容も特筆できるものでないことから、本研究を基盤として一層の努力を期待したい。
費用対効果はおおむね妥当と考えられる。