研究代表者(所属機関)
山本(前田)万里(独立行政法人農研機構野菜茶業研究所)
研究参画機関
独立行政法人農研機構野菜茶業研究所
株式会社日本製紙グループ本社
九州大学
京都大学
アサヒビール株式会社
総合評価
優れている
講評
ある農産物があって、その栽培種の確立から、栽培法、加工法、成分分析、機能性評価、安全性評価に至る一連の研究の流れは、長い年月がかかるものである。
特に、収穫時期が限定されるものにとってはなおさらである。その観点から本プロジェクトを見ると、短時間に複数の研究機関をよく調整し、それぞれの得意とする学術研究あるいは技術開発を有機的に組織し、一定の実績を挙げるところまで到達した点が高く評価できる。
得られた成果は、「サンルージュ」の機能性を生かした製品開発に直接つながっている。新規アントシアニン茶の味に特別な問題がなく、アントシアニンの色が抵抗なく緑のお茶に慣れ親しんできている人々に受け入れられれば、実用性は高いと思われる。
ただし、前提条件として、安定的に茶葉が生産され、有効成分の含有量の変動幅が小さいことなどがある。
以上のように、実用化のための検討はなされており、研究チームに複数の民間企業が加わっていることもあって、今後、新しい事業もしくは生物系産業創出の創出が期待される。