生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

イノベーション創出基礎的研究推進事業(終了)

2011年度 終了時評価結果

睡眠改善機能食品の開発

研究代表者氏名及び所属

裏出 良博(財団法人 大阪バイオサイエンス研究所)

総合評価結果

当初目標を達成

評価結果概要

研究代表者等が天然素材から見出した睡眠効果を示す素材7種と成分5種、鎮静効果を示す素材105種、覚醒効果を示す素材3種と成分1種に基づき、睡眠改善機能食品の開発・製品化を目的として研究が実施されてきた。睡眠改善機能を示す明確な指標が確立されていないことから、特定保健用食品等の認定は困難であると考えられるが、睡眠改善効果について、動物を用いた有効性・安全性試験の実施や有効成分の同定、ヒトにおける有効量の推定、睡眠改善効果の作用機序を科学的に明確にする等、評価の高い国際誌に多数公表したことも含め、学術的評価は非常に高い。しかし、有効性が確認できた成分の公表が、比較的知られている物質(オルニチン、クロシン等)にとどまっていること、より多くの被験者を対象とした予算に見合う規模での、創出した製品の有効性及び安全性試験の実施等、発展型研究としての実用化に向けたさらなるアプローチが望ましかった。今後は、先行商品との差別化の工夫、有効成分の実用化に向けた取り組みの一層の強化、臨床試験のさらなる充実が望まれる。