研究代表者氏名及び所属
マーシー・ニコル・ワイルダー(国際農林水産業研究センター)
総合評価結果
当初目標を達成
評価結果概要
本研究では、バナメイエビの完全循環飼育により、親エビの催熟、良質卵及び稚エビの生産を達成し、病気に対する投薬などの心配のないSPFエビの生産を目的とし、かつ、実用化のコスト計算も行った。
残念ながら、新しい成熟促進法は確立されず、その適応試験は実施されなかったが、参画研究機関間の意思疎通により、研究機関と飼育現場とが密接に連携し、SPF稚エビの生産とその輸送方法の確立など、十分な成果が得られ、国産バナメイエビの種苗生産技術の確立という目的をほぼ達成した。
また、事業化へのプロセスとなる親エビを含む稚エビ生産システムのモデル施設を設計し、企業参入への道筋を示した。さらに、これまでは海外産のみの無投薬SPFバナメイエビについて、初めて国内で生産できることを示した。本種の国産化は、今後の生物系産業創出という観点から大いに期待される。
学術的には、原著論文が年当たり平均3報と論文数は十分であるが、もう少しインパクトファクターの高い雑誌へ投稿して欲しかった。費用対効果は、事業化に向けた確実な成果が得られているので、妥当と判断する。