生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

イノベーション創出基礎的研究推進事業(終了)

2011年度 終了時評価結果

レクチン探索による食中毒菌の迅速多重検出技術の開発

研究代表者氏名及び所属

矢部 宇一郎(株式会社グライエンス)

総合評価結果

当初目標を達成

評価結果概要

食中毒の予防を目的として、食中毒菌を迅速に検出する技術開発に取り組み、原因菌の判別が可能なレクチンの選別、特異性の解析という当初の目標は、一応達成したと評価できる。しかし、今回の研究成果に示された検出感度では、培養無しでの食品の食中毒細菌検査は困難で、実用化には更なる改良が必要である。また、本事業で対象としているレクチンのライブラリー数は、抗体に比較するとかなり少なく、単独のレクチンでは食中毒菌を判別することは困難で、複数種のレクチンの認識パターンから判定することが必要と思われる。新規海藻レクチンの検索について、そのうち24種を精製し、さらに33種類の新規レクチン遺伝子の全長配列を得たと報告しているが、今後、レクチンを対象とした生物系産業創出のためには、安定的な生産システムの開発が重要である。以上のように、本事業で得られた成果は、実用化に向かっての第一歩であり、今後、商品化にあたっては各種データの取得・規格設定等、相当な確定作業が控えている。各段階において、専門家を巻き込んで迅速に開発を進める必要がある。