生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

イノベーション創出基礎的研究推進事業(終了)

2011年度 中間評価結果

食品の安全性に関する簡易リスク判定技術の開発

研究代表者氏名及び所属

和賀 巌(NECソフト VALWAYテクノロジーセンター)

評価結果概要

本研究はアプタマーを用いて食品中の病原体や残留農薬を検出する簡易で簡易な検出技術の開発をめざしたものである。研究は項目1「農薬・菌に対するアプタマー取得研究」と項目2「二つのアプタマーを一体化するアルゴリズムの研究開発」に分かれ、前者では、アプタマーのセレクション方法を改良するため、自動化装置の活用、セレクションプール設計、プール濃縮判定技術の確立などのSELEX法の改良を行い、数種標的物質に対するアプタマーの取得に成功した。また、実験グループと計算化学グループの連携によりコンジュゲートアプタマーデザインプログラムを作製、それらを利用して分子認識アプタマーと発色用DNAzymeの結合分子設計を行い、取得した分子認識アプタマーとDNAzymeが結合した時に色調を変化させることに成功したことは評価できる。ただ、今後食品などへの実用化を見据えた場合には検討すべきことも残されており、最終目標を見据えて集中した取り組みが必要となろう。

特許出願は行われているが、発表した学術論文等の数は中間評価時までの成果としては多くはなく、今後論文発表等による成果の積極的公表が望まれる。