((独)農業生物資源研究所 山崎俊正)
評価結果概要
本研究は、高精度かつ迅速にタンパク質機能を予測・特定する研究方法の確立を目指している。研究の焦点はタンパク質のトポケミストリー解析にある。これまでに、(1)分子機能及び機能性残基は既知であるが、機能発現機構の不明なタンパク質、(2)分子機能は明らかではあるが、機能性残基及び機能発現機構の不明なタンパク質、(3)分子機能の不明なタンパク質、に属する5種類のタンパク質とイネの機能未知遺伝子産物について、トポケミストリーを切り口として解析し、レベルが高く、インパクトの大きい優れた成果を上げている。
しかし、本研究法の普遍化という点で問題が残っているとともに、低分子量のタンパク質についてのみ研究が行われてきており、高分子量のタンパク質の構造決定に向けての実験が着手されていない。こうした点を勘案すれば、研究計画の再構築も必要であろう。