生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

1996年度 採択された研究課題

昆虫・微生物寄生共生系の分子機構の解明と利用

研究代表者氏名及び所属

石川 統(東京大学理学系研究科)

研究実施期間

平成8年度~12年度

研究の趣旨・概要

生物の種は単独で存在するようにみえても、実は、他の種との密接な相互作用のもとに存在している場合が多い。また、そのような相互作用を行うことによって初めて発揮される生物機能も非常に多様に存在する。
そこで本研究は、種間相互作用の中でも最も密接かつ多様性に富む、昆虫・微生物(細菌類、原生動物および真菌類)間の細胞内、消化管内ならびに細胞間寄生・共生系の成立と維持の分子機構の解明を目標として、主として生化学・分子細胞生物学的手法を用いて、これら寄生・共生の系で特異的に生産されている物質の分離、精製さらには改変を試みるものである。また、これら特異的物質の機能を解明するとともに、その大量発現系を開発することなどにより、上記物質を有効利用するための基礎的知見を得る。これによって、従来は制御の対象としかみられなかった、アブラムシ、ウンカ、シロアリ等の有害昆虫を逆に利用する道を拓き、共生寄生により生産されてくる新規有用物質による食品素材・医薬品等の開発を通じて生物系産業の発展等に資することを目的とする。

研究項目及び研究担当者

  • 昆虫内共生微生物の遺伝子産物の機能とその改変に関する研究
    (東京大学大学院理学系研究科 石川 統 )
  • 昆虫共生系が生産する物質とその機能に関する研究
    (農林水産省蚕糸・昆虫農業技術研究所 野田 博明)
  • 昆虫寄生・共生菌が宿主体内で特異的に発現する遺伝子の探索、解明、利用
    (工業技術院生命工学工業技術研究所 深津 武馬)

研究のイメージ

昆虫・微生物寄生共生系の分子機構の解明と利用