研究代表者氏名及び所属
鬼頭 誠(京都大学食糧科学研究所)
研究実施期間
平成8年~平成12年度
研究の要旨・概要
21世紀は、食料問題が人類にとっての最も重要な課題とされている。高血圧、糖尿病、ガン、アレルギーなど食に起因した疾患の急増、及び人工の増大と環境の悪化による食料不足がその理由である。これらのことを背景として、生理機能、健全性、嗜好性などが格段に強化された食料を、大量、かつ、安全に生産する方法の開発が急がれている。またその際、質的な面で重要となるのはタンパク質であり、質の高い、機能的に優れたタンパク質の量産態勢の確立が必要である。
そこで、本研究では、生理機能を持つタンパク質やペプチドについて機能的・構造的・量的側面から解析し、健康の維持と増進に必要な優れた生理機能調節性タンパク質の分子レベルでの設計と、その情報を持つ遺伝子の作成、及び植物への導入を行う。これによって生産されるタンパク質を可食部に特異的に大量蓄積させ、意図した生理機能が格段に強化された作物の作出を目指す。また、この作物の健全性や利用性を評価、技術の開発等、実用化を目指した基礎技術を確立する。
研究の構成:研究項目及び研究担当者
- 生理機能調節性タンパク質の分子設計と利用に関する基盤的研究
(京都大学食糧科学研究所 鬼頭 誠) - 生理活性ペプチド配列の導入及び改変による健康増進機能を持つ食糧タンパク質の分子設計
(京都大学農学部 吉川 正明) - 生理機能調節性タンパク質集積作物の分子育種
(農林水産省農業生物資源研究所 高岩 文雄) - 食品アレルゲンの活性発現機構と遺伝子転換作物のアレルギー性評価に関する基盤的研究
(名古屋大学農学部 松田 幹)