生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

1996年度 採択された研究課題

臓器移植医療に応用するためのブタの品種改良・増産に関する研究

研究代表者氏名及び所属

白倉 良太(大阪大学 医学部)

研究実施期間

平成8年度~12年度

研究の趣旨・概要

同種臓器移植は今や医学的には定着した医療であるが、ドナー不足が深刻な問題になっている。その解決策として異種移植の臨床応用を考える時、解剖学的構造、身体を構成する蛋白質、サイズ、ヒトに感染する可能性のある病原体を持たないこと、繁殖力旺盛といった条件を考慮すると、臨床応用できる動物としてはブタが有力候補である。
しかし、ブタの臓器はヒトに移植すると(ブタ-ヒヒ間の移植実験から推測するに)数十分で拒絶されると考えられている。このため本研究では、遺伝子工学、発生工学的技術を駆使して超急性拒絶反応が起こらない、抗原性の極めて低い移植用ブタの開発を目的とする。具体的には、超急性拒絶反応を回避するために必要なヒトの遺伝子を解析し、その遺伝子産物(ヒト補体制御因子、糖鎖修飾酵素等)を発現したトランスジェニックブタを開発し、またES細胞の開発とノックアウトブタの作成技術の開発を行い、臓器提供ブタを用いた異種移植の臨床応用の実現に資するものである。

研究項目及び研究担当者

  • 異種移植の臨床応用に関する基礎的研究(大阪大学医学部 白倉 良太)
  • 超急性拒絶反応の発生機序(大阪府立成人病センター 瀬谷 司)

研究のイメージ

 

臓器移植医療に応用するためのブタの品種改良・増産に関する研究