総括研究代表者氏名及び所属
角田 幸雄 (近畿大学農学部)
研究実施期間
平成9年度~13年度(5年間)
研究の趣旨・概要
優れた遺伝形質をもつ家畜を大量に生産するための繁殖技術としては、人工授精、受精卵移植等の技術がすでに一般化しているが、最近、より優れた大量生産技術として、体細胞由来の核の移植によるクローン家畜の作出技術の開発が世界的に注目されてきている。しかし、この新しい技術は、体細胞を用いた核の初期化、培養細胞からの個体(家畜)作出等の技術面で未だ未解決な点が多く、安定した家畜繁殖技術としては確立していない。
本研究では、各種の体細胞、胎子生殖細胞等を用いて、発生能力の点で初期胚と相同な細胞株を培養・作出する技術を確立するとともに、核移植をはじめとする発生工学的手法を駆使してその培養細胞からクローン個体(家畜)を安定的に作出するために必要な技術を確立する。また、上記の基本的な技術開発と併せて、培養細胞への遺伝子導入とその改変細胞から個体(家畜)を作出する技術の開発も行い、優良な形質を持つ家畜の改良・大量生産技術の確立を目指す。
研究項目及び実施体制(( )は研究代表者)
- 家畜初期胚ならびに体細胞由来細胞株の樹立と個体発生に関する研究
(近畿大学農学部 角田 幸雄) - 胎子生殖細胞と生殖細胞株を使った発生工学技術の開発
(国立遺伝学研究所 中辻 憲夫)