生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

1998年度 採択された研究課題

高機能性脂質食品素材の開発に関する基盤的研究

総括研究代表者氏名及び所属

松野 隆一(京都大学大学院農学研究科)

研究実施期間

平成10年度~14年度(5年間)

研究の趣旨・概要

脂質は人間の生体の生理機能を維持し、健康を保持していく上で不可欠である。しかし、最近の食品の嗜好性や美容への関心等により、かつては充分に摂取されてきた不飽和脂肪酸(植物、魚類に多く含まれる)まで摂取量が減少してきている。
本研究では、1)多様な生理的機能を有する各種の脂肪酸と糖、タンパク質、ビタミン等の生理活性物質との酵素合成法の開発、2)人体内において生理機能物質を効率的に吸収、輸送させるための脂質エマルションの粉末化技術の確立、3)異なった水分条件下における脂質と高分子間の相互作用の分子レベルでの解析等を行い、高機能性脂質食品素材開発のための技術的基盤を確立する。
これらを通じて、人間の健康の維持・増進と豊かな食生活の両立、食品産業の振興に対して貢献する。

研究項目及び実施体制(( )は研究代表者)

  • 熱力学的障壁を克服した機能性食品素材物質の酵素合成
    (岡山大学工学部 中西 一弘)
  • 新たな脂質粉末化技術の開発と高機能性食品への適用
    (京都大学大学院農学研究科 松野 隆一)
  • エマルション系、濃厚系、極低水分系における相互作用
    (京都大学食糧科学研究所 森 友彦)

研究のイメージ

高機能性脂質食品素材の開発に関する基盤的研究