生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

1999年度 採択された研究課題

環境化学物質応答の分子機構の解明

研究代表者氏名及び所属

高橋 智 (筑波大学基礎医学系)

研究実施期間

平成11年度~15年度

研究の趣旨・概要

本研究は、現在社会問題化しているダイオキシンなどのいわゆる環境ホルモンや農薬等我々を取りまく環境に存在する化学物質に対する生物の応答反応を解析し、どのようにして体に異常をもたらすかを解明することを目標とする。本研究では、マウスを用いた遺伝子操作により、環境中に存在する化学物質に対して過敏になったマウスや抵抗性になったマウスを作製し、様々な化学物質に対する応答を解析する。
これらのマウスの解析から、1)環境中の化学物質に対する生体の防御反応のメカニズムを理解することができる。2)本研究で作製した防御反応が低下したマウスは、環境中や農林水産物および食品に残留する可能性のある農薬やダイオキシンなどに対する鋭敏なモニタリング動物として利用できる。3)防御反応が亢進したマウスからは、環境中の化学物質を体内に蓄積しにくい畜産動物開発のための基礎データが得られる。

以上、本研究から得られる成果は、農林水産物の安全基準の確立や、安全性の高い畜産動物の改良に重要な情報を提供すると考えられる。

研究項目及び実施体制(()は担当研究者)

  • 環境化学物質反応モデルマウスの作製
    (筑波大学基礎医学系 高橋 智)
  • 異物応答反応の分子機構の解析
    (筑波大学基礎医学系 伊東 健)
  • 異物応答反応モデルマウスの解析と評価
    (筑波大学基礎医学系 本橋ほづみ)

研究のイメージ

環境化学物質応答の分子機構の解明