生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

1999年度 採択された研究課題

共生微生物等を利用した荒廃土壌の修復技術の開発

総括研究代表者氏名及び所属

齋藤 雅典(農林水産省草地試験場)

研究実施期間

平成11年度~15年度(5年間)

研究の趣旨・概要

世界的に土壌の劣化・荒廃が進行しているが、いったん荒廃裸地化した土壌では養分を含んだ表層土壌が浸食で失われ、緑化修復することはきわめて困難である。 本研究では、養分が枯渇し、著しく乾燥した荒廃土壌を対象に、微生物の機能を活用した新たな緑化修復技術を開発する。すなわち、

1)砂漠等乾燥地のパイオニア生物である耐乾性ラン藻について、その耐乾性機構を解明するとともに、このラン藻の持つ土壌被覆作用による土壌修復効果の評価を行う。2)養分の枯渇した土壌に最初に繁殖するパイオニア植物に共生する微生物(体内共生窒素固定菌、菌根菌)の機能を解明するとともに、その荒廃地緑化過程における役割を解明し、さらに、これら共生微生物の導入利用技術を開発する。3)これら共生微生物等の機能を利用した新たな土壌修復技術の開発を目指す。

本研究によって、化学肥料等の膨大なエネルギーを必要としない地球環境にやさしい新たな荒廃土壌修復技術が開発されるとともに、これらの技術の活用により、世界の荒廃地の緑化に寄与できる。

研究項目及び実施体制(()は研究代表者)

  • 耐乾性ラン藻の耐乾機構解明とラン藻を利用した荒廃乾燥土壌修復技術の開発
    (東京大学大学院総合文化研究科 大森正之)
  • パイオニア植物におけるエンドフィテイック共生微生物の機能解明とその利用技術開発
    (東北大学遺伝生態研究センター 南澤 究)
  • パイオニア植物におけるVA菌根菌の機能解明とその利用技術開発
    (農林水産省草地試験場 斎藤雅典)
  • 共生微生物等の機能を活用した荒廃土壌の新修復技術の開発
    (山口大学農学部 丸本卓哉)

研究のイメージ図

共生微生物等を利用した荒廃土壌の修復技術の開発