生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

1999年度 採択された研究課題

植物の生物時計機構の解明と光周性の人為的制御

研究代表者氏名及び所属

石浦 正寛(名古屋大学大学院理学研究科)

研究実施期間

平成11年度~15年度(5年間)

研究の趣旨・概要

植物の発芽や発育、発生などの過程は、光や温度などの環境要因によって精緻に制御されている。これらの制御機構を解明し、その人為的制御を可能にすることは、植物の生産性を向上させる上で極めて重要である。また、光周性は光による生物過程の制御現象であり、生物の時計機構によって制御されている。 本研究は、緑色植物の時計機構を分子レベルで解明し、光周性の人為的制御を達成して植物の生産性を向上させることを目指す。具体的には、

1)緑色植物の時計の原型と想定される藍色細菌の生物時計の全体像を明らかにする。2)藍色細菌で得られる知見をもとにして、緑色植物の時計遺伝子を分子遺伝学的に探索する。3)最も単純と考えられる原始時計の遺伝子の機能を解明する。4)時計遺伝子を操作して、緑色植物で光周性の人為的に制御を試みる。

時計の分子機構が解明されれば、時計遺伝子を自在に操ることにより、植物の発芽や生育、花芽形成などの光周性を示す過程を思いのままに、しかも経済的に制御することが可能になる。例えば、電照菊の花芽誘導なども、電照なしに誘導することが出来るようになる。

研究項目及び実施体制(()は研究担当者)

  • 藍色細菌の生物時計の全体像の解明
    (名古屋大学大学院理学研究科 石浦正寛)
  • 緑色植物の生物時計遺伝子の探索
    (名古屋大学大学院理学研究科 石浦正寛)
  • 原始時計遺伝子の機能の解明
    (名古屋大学大学院理学研究科 石浦正寛)
  • 植物の光周性の人為的制御
    (名古屋大学大学院理学研究科 石浦正寛)

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植物の生物時計機構の解明と光周性の人為的制御