生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

1999年度 採択された研究課題

肥満・脂肪代謝制御の分子機構と食品中の活性化因子に関する研究

総括研究代表者氏名および所属

斉藤 昌之(北海道大学大学院獣医学研究科)

研究実施期間

平成11年度~15年度(5年間)

研究の趣旨・概要

生活習慣病の最大の危険因子が「肥満」であること、および日本の伝統的な食生活、特に植物や海産物由来の脂肪の摂取が生活習慣病の予防に適していることは良く知られている。 本研究では、このような疫学的・経験的事実を分子や遺伝子レベルで解明し、特に肥満に直接関与する2種類の分子(熱産生によってエネルギー消費を増やす「脱共役蛋白質(UCP : Uncoupling Protein)」と脂肪細胞の増殖・分化を制御する「核内レセプター」)をターゲットにして、これらを活性化あるいは抑制する食品成分を大規模に検索し、有効成分とその体内代謝様式、作用機構を明らかにする。これによって、ともすれば試行錯誤的に繰り返されてきた、健康食品や機能性食品の研究に確実な根拠を与え、「健康に良い日本食」に根ざした新しい食品開発への手がかりを得る。

これらの成果は、新規の食品産業分野の創出、付加価値の高い作物・食糧資源の開発に寄与するものと期待される。

研究項目および実施体制(()は研究代表者)

  • エネルギー消費分子脱共役蛋白質の制御機構と食品中の活性化因子に関する研究
    (北海道大学大学院獣医学研究科 斉藤昌之)
  • 脂肪細胞のライフサイクルを支配する分子機構の解明とその制御法の開発
    (京都大学大学院農学研究科 河田照雄)
  • 食品中の脂肪酸関連物質の生体内代謝とアラキドン酸カスケード反応を介した細胞機能を調節する生理活性脂質の研究
    (島根大学生物資源科学部 横田一成)

研究のイメージ

肥満・脂肪代謝制御の分子機構と食品中の活性化因子に関する研究