生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2000年度 採択された研究課題

マメ科植物等のゲノム分析による根粒形成機構の系統的解明

総括研究代表者氏名及び所属

川崎 信二(農林水産省農業生物資源研究所)

研究実施期間

平成12年度~16年度(5年間)

研究の趣旨・概要

ミヤコグサ・ダイズ等マメ科植物と根粒菌についてゲノムの構造と機能の解析により、それぞれの根粒形成及び共生窒素固定に関連した遺伝子群を系統的に単離し、それらの機能を体系的に解明する。
根粒形成や共生窒素固定の成立に必須なマメ科植物の遺伝子群は、一般の植物に根粒形成能を付与するための鍵となるものである。これらの遺伝子を体系的・効率的に単離するためのシステムを我が国の固有種でマメ科のモデル植物であるミヤコグサで構築する。これから得られた多数の根粒形成の変異体を利用し、新たに効率的な遺伝子マッピングシステムと高品位ゲノムライブラリー及びその整列化法を開発して、根粒形成遺伝子群を効率的・系統的に単離する。
さらに、ダイズとミヤコグサのゲノム地図の関係を精密に比較・分析して、ダイズの重要遺伝子をミヤコグサのゲノム解析から単離できるシステムを構築する。根粒菌についても全遺伝子について、それぞれを欠損させた体系的な変異体群を作成して、菌側の遺伝子の機能も系統的に解明する。
植物側の関連遺伝子群が明らかになれば、一般の植物にも根粒を形成させることが可能になり、優良根粒菌の育成と相まって、窒素肥料の削減、河川の富栄養化の防止、地球緑化の増進に貢献することが期待される。

研究項目及び実施体制(( )内は研究代表者)

  • ミヤコグサのゲノム解析を基にした根粒形成遺伝子群の系統的単離と機能解析
    (農林水産省農業生物資源研究所 川崎信二)
  • ミヤコグサとダイズのシンテニーを利用した遺伝子単離システムの開発
    (千葉大学園芸学部 原田久也)
  • 根粒菌ゲノムの機能分析による共生窒素固定関連遺伝子群の系統的単離
    (大阪大学理学部 佐伯和彦)

研究のイメージ

マメ科植物等のゲノム分析による根粒形成機構の系統的解明