生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2002年度 採択された研究課題

花芽分化誘導における光周性過程から統御過程への新規な遺伝子ネットワークの解明

研究代表者指名及び所属

米田 好文
米田 好文(東京大学大学院理学系研究科)

研究実施期間

平成14年度~18年度(5年間)

研究の趣旨・概要

花芽分化誘導は種子植物における開花の初期過程で、作物の種子生産などに最も重要な過程であり、基礎生物学的にも栄養成長から生殖生長への発生分化過程の切り換えという点で重要な研究課題である。
本研究は、花芽分化誘導を解明し開花調節の制御を可能にすることを目標として、シロイヌナズナ、イネ、アサガオを材料に研究を実施する。具体的には、花芽分化誘導過程の初期過程に着目し、光情報を受容し、シグナルとして伝達する経路をまず研究する。次いで、これらのシグナルが統御され最終的な花芽分化へと至る、統御過程の遺伝子調節のネットワークを解明する。すなわち、初期の光シグナルから最終的な花芽分化誘導へ至る一連の経路を、これらに関与する遺伝子の機能、相互作用を、遺伝学・分子生物学の最新手法を駆使して解明する。
本研究の過程で得られた制御遺伝子群、シグナル伝達因子などは、種々の有用植物における開花制御技術の開発に寄与する。

研究項目及び実施体制(( )内は研究担当者)

  • シロイヌナズナ花芽分化誘導統御遺伝子ネットワークの解明
    (東京大学大学院理学系研究科 米田 好文)
  • 光シグナルによる花芽分化誘導調節の分子機構の解明
    (独立行政法人 農業生物資源研究所 井澤 毅)
  • 短日植物アサガオと長日植物シロイヌナズナの光周性花成誘導と概日時計の分子基盤の解明:タンパク質リン酸化の役割に関する研究
    (筑波大学生物科学系 小野 道之)
  • 花芽分化誘導を制御する新規の制御因子と制御階層の解明
    (京都大学大学院理学研究科 阿部 光知)

研究のイメージ

花芽分化誘導における光周性過程から統御過程への新規な遺伝子ネットワークの解明