生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2002年度 採択された研究課題

イルカ型ソナーをモデルとした次世代魚群探知技術の研究

研究代表者氏名及び所属

赤松 友成
赤松 友成(独立行政法人 水産総合研究センター 水産工学研究所)

研究実施期間

平成14年度~18年度(5年間)

研究の趣旨・概要

今後の我が国水産業の安定的な発展を図るためには、多様な魚種に恵まれている沿岸漁業資源の適正な管理・利用技術が極めて重要となってきている。しかしながら、現在、その基盤技術となる魚種ごとの資源量を正確に把握できる技術がなく、関係方面から、こうした機能を持った新しい魚群探知技術の開発が強く求められている。
本研究では、このような要請に応えるため、イルカが持つ優れたソナー能力をモデルとして、魚種ごとに定量的に判別・測定が可能な高性能魚群探知技術を開発することを目指している。
これまでの知見によると、イルカはいろいろな周波数成分を含む広帯域の超音波音声を用いて、イルカの個体間での混信を回避しながら、餌となる魚の大きさや種類などを見分ける能力を持っていると考えられている。このため、本研究では、イルカに装着可能な大容量高速録音装置(音響データロガー)を開発し、イルカが魚を発見してから捕らえるまでの超音波探索音の伝送収集過程を明らかにする。同時に、超音波をよく反射するウキブクロの形状を色々な魚の種類ごとに計測し、散乱波形を予測するモデルを構築する。これらの知見から、上記機能を持った次世代の魚群探知技術を開発する計画である。
本研究で得られる成果は、国際的な課題となっている、水産資源の種別管理に有効活用されるほか、希少水産生物の動態把握・管理にも広く利用されることが期待できる。

研究項目及び実施体制(( )内は研究担当者)

  • イルカの音響探索行動の計測
    (独立行政法人 水産総合研究センター水産工学研究所 赤松 友成)
  • 任意魚種からの音響散乱モデルの構築
    (独立行政法人 水産総合研究センター水産工学研究所 奥村 都誉司)

研究のイメージ

イルカ型ソナーをモデルとした次世代魚群探知技術の研究