生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2003年度 採択された研究課題

新規摂食調節物質グレリンとニューロメジンUの基礎的、応用的研究

研究代表者氏名及び所属

村上 昇
村上 昇(宮崎大学農学部)

研究実施期間

平成15年度~19年度(5年間)

研究の趣旨・概要

近年、諸外国からの牛肉や鶏肉の輸入は増加の一途をたどり、諸外国は安価で、日本人の嗜好に合う脂肪交雑肉牛の生産に力を入れている。一方、わが国の和牛やホルスタインの飼育方法には飼料効率の点で限界が見られている。そのため、今後、如何に効率的な家畜生産を行うかが重要な課題となってくる。
本研究チームは自らが発見した内因性摂食調節ペプチド、グレリンとニューロメジンU(NMU)の摂食調節機能を利用して、動物に効率よい食物摂取を促し、食肉増産に結びつけることを考えている。また、これら摂食促進、あるいは抑制ペプチドを利用して伴侶動物の過食症や拒食症の治療を目指している。
具体的には、グレリンやNMUのノックアウトマウスを作成し(NMUは作成済み)、これを利用した生理・生化学的、分子生物学的解析を行う。また、シバヤギやビーグル犬で、ペプチドの効果を生理・生化学的に解析する。
さらに、牛における摂食、泌乳への評価、犬、猫での過食や拒食とグレリンとの相関や治療効果を検討する。人と同様に、伴侶動物の過食症や拒食症に伴う肥満や痩せは深刻な問題になりつつあるので、治療への応用の波及効果も大きいと期待される。

研究項目及び実施体制(( )内は研究担当者)

  • 新規摂食調節ペプチドの生理作用解明と効率的な食肉生産や伴侶動物の過食症、拒食症への応用
    (宮崎大学農学部 村上 昇)
  • 新規摂食調節ペプチドによる生体機能調節機構の解明
    (久留米大学分子生命科学研究所 児島 将康)

研究のイメージ

新規摂食調節物質グレリンとニューロメジンUの基礎的、応用的研究