研究代表者氏名及び所属
今場 司朗(食品総合研究所)
研究実施期間
平成16年度~18年度(3年間)
研究の趣旨・概要
生命現象を司る第三の鎖としての糖鎖機能を詳細に解明するためには、有機化学的手法を用いて様々な糖鎖を合成する必要がある。しかしながら、その複雑な構造故、糖鎖自体を得ることすら難しく、糖鎖研究は核酸・蛋白質研究に比べて非常に後れをとっている。そこで、本研究は、あらゆる糖鎖をスイッチ一つで自由自在に合成することが可能な糖鎖自動合成技術及び、糖鎖機能を網羅的に解析可能にする規則的な糖鎖ライブラリー合成技術の2つを同時に確立することを目的とする。
本研究の基礎技術として、昨年、わずか一種類の保護基と一種類の脱保護試薬により、すべての水酸基の保護基に特異性を持たせるという革新的な糖鎖合成手法、「だるま落とし保護法」を開発した。この「だるま落とし保護法」は、だるまの台をハンマーで叩いて一つずつ外すように保護基を除く操作と、糖と糖を縮合する操作を繰り返すだけで、目的の糖鎖を得ることが可能なため、本研究課題ではこの手法を、市販の固相合成ロボットを使って(特注の糖鎖合成ロボットは必要ない)、固相樹脂上での糖鎖合成に適応することにより、糖鎖自動合成並びに、規則的糖鎖ライブラリー合成の確立を目指す。この技術が確立し、あらゆる糖鎖を容易に得ることができるようになれば、農業・食品産業をはじめとする、生命現象を研究するあらゆる分野の飛躍的な発展に寄与するできるものと期待される。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- 糖鎖自動合成技術の確立
(独立行政法人食品総合研究所 酵素機能研究室 今場司朗) - 規則的な糖鎖ライブラリー合成技術の確立
(独立行政法人食品総合研究所 酵素機能研究室 今場司朗)