研究代表者氏名及び所属
山根 久和
(国立大学法人東京大学生物生産工学研究センター)
研究実施期間
平成17年度~21年度(5年間)
研究の趣旨・概要
21世紀の地球規模での環境・食糧問題の解決のためには、環境の保全を図りつつ大量の食糧を安定して供給する農業技術の開発が不可欠である。本研究では、イネをモデル植物として用い、病害抵抗性作物の作出や病害抵抗性賦活型農薬の開発のための研究基盤を確立することを目標として、病原菌感染シグナルとして機能するキチンエリシター、及びβ- グルカンエリシターの受容体の構造と機能の解明、ジャスモン酸や活性酸素などの二次シグナルの機能解明、抗菌性物質生産などの抵抗性反応に至る遺伝子ネットワークの解明を行い、植物が本来有している病害抵抗性発現機構を徹底解明する。また、イネへの感染初期過程に変異を持ついもち病菌変異体を用い、いもち病菌とイネとの相互作用を詳細に解析し、感染機構に関する知見を得る。
本研究において得られる成果は、環境調和型農業技術の開発に大きく貢献するもので、農薬関連産業や種子産業への波及効果も期待される。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- エリシター受容体を介したシグナル伝達機構の解明
(明治大学農学部 渋谷直人、賀来華江) - イネの病害抵抗性を制御する遺伝子ネットワークの解明
(国立大学法人東京大学・生物生産工学研究センター 山根久和、岡田憲典) - イネいもち病菌感染初期過程におけるシグナル伝達機構の解明
(独立行政法人農業生物資源研究所生体高分子グループ 南 栄一、秋本千春/新生物資源創出研究グループ 西澤洋子)