研究代表者氏名及び所属
黒岩 常祥(立教大学理学部)
研究実施期間
平成17年度~21年度(5年間)
研究の趣旨・概要
21世紀に入った現在、温暖化・酸性化は当初の予想よりはるかに速く進み、酸性雨による作物や森林への被害は世界的に拡大している。 その対策として環境変動に強い作物の作出が急務である。 こうした植物の育種には、既に進化の過程でこのような特性を獲得した極限環境生物のゲノムの利用が有効である。本研究の目的は、全ゲノムの完全解読を終了した極限環境(高温強酸性)に生息する
原始紅藻Cyanidioschyzon merolae (シゾン)類の遺伝情報を利用し、ゲノム・ポストゲノム(オミクス)解析を行い、耐強酸性・耐高温遺伝子等環境変動に関わる遺伝子を同定し、それらを高等植物(シロイヌナズナ、イネなど)に導入して、環境変動に適応力のある作物を作出することである。
その成果は、酸性雨に耐性の作物の作出、熱安定な真核生物のシゾン類のタンパク質のバイオ産業への利用、金属耐性のシゾン類によるバイオレメディエーション等環
境改善等に大きく貢献すると期待される。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- シゾンの極限環境応答遺伝子の探索とその応用に関する基礎研究
(立教大学理学部 黒岩常祥他) - 環境変動に耐性な有用植物の作出
(国立大学法人東京大学大学院理学系研究科 平野博之)