生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2005年度 採択された研究課題

天然環境毒素による重要穀類の汚染低減化にむけた技術創成

研究代表者氏名及び所属

木村 真
木村 真
(独立行政法人理化学研究所中央研究所)

研究実施期間

平成17年度~19年度(3年間)

研究の趣旨・概要

赤かび病菌は、コムギやトウモロコシなどの重要穀類に深刻な病気を引き起こす植物病原性のカビである。赤かび病は、大きな収穫の減収に加え、ヒトや 家畜に有害な天然環境毒素(トリコテセンおよびゼアラレノン)で可食部を汚染し、農業にとって二重の脅威をもたらす。また、殺菌剤の施用によって赤かび病 菌の蔓延を抑止できても、必ずしも毒素汚染を防止できるわけではなく、食の安全と信頼性を確保する上で問題となっている。
本研究では、赤かび病菌 がトリコテセンを産生する遺伝的メカニズムを解明し、食と健康に関わる素材を中心にしたトリコテセン系毒素産生抑制剤の探索、開発を行うとともに、赤かび 病菌を改変して効率的な有用物質生産のための基盤技術を検討する。ゼアラレノン毒素に関しては、この毒素を分解する組換え穀類を作出し、その有用性を実証 する。
本研究の成果として、これまでの植物病害防除技術では考慮されることのなかった消費者受益型の産物を生み出す技術基盤を提示することで、新しい植物産業の創出に繋がるものと期待される。

研究項目及び実施体制(()は研究担当者)

  • トリコテセン毒素生合成・制御機構の解析
    (独立行政法人理化学研究所中央研究所 木村真)
  • ゼアラレノン分解遺伝子 zhd101 を導入したトウモロコシによるゼアラレノンの解毒
    (独立行政法人理化学研究所中央研究所 木村真)

研究のイメージ

天然環境毒素による重要穀類の汚染低減化にむけた技術創成