生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2007年度 採択された研究課題

食品の安全性評価用超高感度ナノセンサーの開発

研究代表者氏名及び所属

今石 浩正
今石 浩正
(国立大学法人神戸大学 遺伝子実験センター)

研究実施期間

平成19年度~23年度(5年間)

研究の趣旨・概要

食品中に極微量残留する農薬、工業廃棄物および現在では毒性が予測できない食品中の潜在的な危険性を持つ化学物質などに対する安全性への懸念が高まりつつある。現在、食品安全性評価にはマウスやラットなどの実験用モデル生物などが多用されているが、これらモデル生物とヒトでは毒薬物に対する代謝活性能に大きな差があることから、ヒトに対する高精度の食品安全性予測法が望まれている。
そこで本研究では、ヒトが食品中から体内に取り込んだ多様な化学物質を体内で代謝することにより、本来毒性を持たない化学物質を毒性のある化学物質に変換する反応を触媒する際の主酵素であるチトクロームP450(P450)に着目した。本研究では食品の安全性評価のために、遺伝子組換えにより大腸菌などの微生物に発現させたヒトP450酵素タンパク質を、微細加工を施したナノバイオセンサーへと結合させることを試みる。即ち、本ナノバイオセンサー上で食品中の化学物質とヒト薬物代謝酵素との反応を超高速、超高感度かつ超高精度に再現させることが可能となり、食品中の化合物のヒトへの安全性予測が可能となる。
本研究で試作する食品の安全性評価用超高感度ナノセンサーを用いることにより、食品の安全性に対するリスク分析の超高速化・超高感度化や実験の精度の飛躍的向上などが期待される。

研究項目及び実施体制(()は研究担当者)

  • 食品の安全性評価用P450酵素の調製
    (国立大学法人神戸大学 遺伝子実験センター 今石 浩正)
  • 食品の安全性評価用ナノチップの作製とP450活性測定
    (独立行政法人産業総合技術研究所 森垣 憲一)
  • P450大量発現微生物株を用いた安全性評価用化合物の調製
    (メルシャン(株)生物資源研究所 一色 邦夫)

研究のイメージ

食品の安全性評価用超高感度ナノセンサーの開発