研究代表者氏名及び所属
檀 一平太
(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所)
研究実施期間
平成19年度~21年度(3年間)
研究の趣旨・概要
高品質と評価される食品・農産物の最も重要な要素は、栄養成分以上に、味、匂い、食感などヒトの感覚に訴える食味情報にある。感覚は食材を構成する物質自体に存在するわけではなく、その刺激を食味情報として認識する脳で生み出される。したがって、高品質食品・農産物の開発には、官能評価等食味情報を処理する食味プロファイリングが必須となる。しかし、高度な技術力を持つ官能評価パネルの養成には長い時間と費用がかかるため、十分な利用がなされていない現状にある。そこで、MEG(脳磁場計測)、fNIRS(機能的近赤外分光分析法)など近年進歩が著しい脳機能イメージング法や認知科学的計測の手法を用いて、食味プロファイリングの脳内基盤を脳科学・認知科学的方法で解析し、官能評価パネルの評価技術の客観的指標となる脳活動パラメータを抽出する。この結果を食味評価の現場にフィードバックし、パネルの感覚や認知特性を反映した多次元の結果解析法を開発する。
これらを総合して、脳科学・認知科学的な基盤に裏付けられた客観的・統合的な食味情報の評価系、即ち「高度食味プロファイリングシステム」を構築する。
その成果は、食味特性評価の精度、効率の向上と技術力の高いパネルの育成、ひいては、多様化、高度化するニーズに即した食品・農産物の開発や消費の拡大に資するものと期待される。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- 高度食味プロファイリングにおける脳内感覚処理の研究
(独立行政法人産業技術総合研究所 小早川 達) - 食味に関する高次脳機能研究と高度食味プロファイリングシステムの構築
(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 檀 一平太)