研究代表者氏名及び所属
今泉(安楽)温子
(独立行政法人農業生物資源研究所)
研究実施期間
平成19年度~21年度(3年間)
研究の趣旨・概要
高等植物の根には、根粒菌による根粒窒素固定、及び、アーバスキュラー菌根菌による菌根共生系が見いだされる。2種の共生菌の感染は、2つの共生系が共有する、宿主植物の共通シグナル伝達経路による「感染受容化」を前提として成立する。
本研究では、「感染受容化」を制御する共通シグナル伝達経路の分子メカニズムの解析により、根粒窒素固定共生系及び菌根共生系の感染成立過程を制御する遺伝子ネットワークを解明する。さらに共通シグナル伝達経路下流の「根粒器官形成」および根粒菌の感染経路となる「感染糸形成」を制御機構の解析により根粒共生系を支える分子システムの解明を目指す。本研究により得られる知見は、2つの共生系の効率的活用による環境調和型農業への応用開発を推進するとともに、宿主植物の人為的制御及び改変による高等植物・微生物共生系の戦略的活用を目指す「共生遺伝子工学」の創設に向けた強力な基盤を提供するものである。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- 根粒菌の感染経路の「感染糸」形成の前提となる「感染受容化」システムの解析
(独立行政法人農業生物資源研究所 今泉(安楽)温子) - 根粒菌の「感染受容化」後の「根粒器官形成」及び「感染糸形成」を制御する分子機構の解明
(独立行政法人農業生物資源研究所 今泉(安楽)温子、中川 知己)