プレスリリース
ムーンショット型研究開発制度 (目標5) プロジェクトマネージャーの採択について

情報公開日:2020年9月18日 (金曜日)

1. 概要

生物系特定産業技術研究支援センター (BRAIN) は、ムーンショット型研究開発制度に基づき、総合科学技術・イノベーション会議 (CSTI) で決定されたムーンショット目標5「2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出」の達成に向け、農林水産省が定めた研究開発構想を実現するため、ムーンショット型農林水産研究開発事業 (以下、「本事業」という。) を実施します。BRAIN は、本事業の研究開発全体の責任者である千葉一裕プログラムディレクター(PD : 東京農工大学学長) の下、研究開発プロジェクトを統括するプロジェクトマネージャー (PM) を令和2年5月11日から令和2年7月20日まで公募しました。

その結果、37件の応募があり、PD及び外部有識者から構成される評議委員会による厳正な審査を行い、農林水産省に設置された運営管理委員会及び内閣府に設置された戦略推進会議での承認を得て、10名のPMを決定しましたので、お知らせいたします。PM及び現時点のプロジェクトの概要は別紙のとおりです。

2. 研究開発プロジェクトの内容

本事業ではムーンショット目標5の達成に向け、(1) 食料供給の拡大と地球環境保全を両立する食料生産システムの開発及び (2) 食品ロス・ゼロを目指す食料消費システムの開発を実施します。

(1) 食料供給の拡大と地球環境保全を両立する食料生産システムの開発では、地球環境に追加の負荷をかけずに食料増産を行う上で、特に必要かつ成果が期待できる、作物自体の機能向上と、未解明の部分が多い土壌微生物機能の解明・発揮に係るプロジェクトを実施します。また、細胞培養による食料生産システム、シロアリによる未利用木材の飼料化、化学農薬に依存しない害虫防除、メタン発生削減と生産性向上を両立する家畜生産システムに係るプロジェクトについて、FS的採択 (※) として実施します。

(2) 食品ロス・ゼロを目指す食料消費システムの開発では、ロスの食料化として効率性の高い昆虫食と食品残渣等の3Dフードカートリッジ化に係るプロジェクトを実施します。また、地球規模のロス発生状況の解明、AI Nutritionによる未来型食品の開発に係るプロジェクトについて、FS的採択として実施します。

なお、採択されたPMは、PDの指揮の下、目標達成に至るシナリオ、プロジェクト計画、共同研究機関や協力機関 (追加又は削除) 及び研究費等、プロジェクトの内容をブラッシュアップした上で12月を目途に研究を開始する予定です。

(※) 採択されたPMは、提案のあったプロジェクトを上記のとおりブラッシュアップした上で開始しますが、FS的採択となった課題については、本格研究開始前に、研究目標実現にあたり実効性、採算性、技術面等で精査が必要な課題の解決に取り組む必要があるため、FS (Feasibility Study) を実施します。