生物系特定産業技術研究支援センター

SIP

「国際シンポジウムーロボットとデータ活用による 農業・農村のDXの実現に向けてー」を開催しました

掲載日 : 2022年1月4日(火曜日)

SIP「スマートバイオ産業・農業技術基盤」スマートフードチェーンコンソーシアムは、2021年11月30日(火曜日)、農業におけるロボットとデータ活用をテーマにした国際シンポジウムをオンラインにて開催いたしました。

小林プログラムディレクターによる開会挨拶の後、基調講演が行われました。日本総合研究所の三輪泰史氏からは、スマート農業と農村の生活サービスの一体的なデジタル化をはかる「農村DX」のモデルケースが紹介されました。ワーヘニンゲン大学経済研究所のジョス・ファーステーゲン氏からは、持続可能なフードシステムの実現に向けた欧州におけるデータ共有と活用の取り組みの事例が紹介されました。

セッション1「ロボット農機活用の実践と高度運用に向けた取組と将来像」では、ライス&グリーン石島の石島和美氏から茨城県で行われている、ロボット農機を活用した低コスト輸出用米栽培の実証が紹介されました。スマートフードチェーンコンソーシアムからは、農研機構の八谷満氏が、遠隔監視型ロボット農機の社会実装化に向けた進捗と課題について説明しました。ワーヘニンゲン大学・研究センターのコルネ・カンペナー氏からは、オランダにおけるスマート農業の現状と今後の取り組みが具体的に紹介されました。

セッション2「プラットフォーム構築による新たな営農管理と農産物流通の最適化」では、フラウンホーファー研究機構のラルフ・カルマ―氏から、複数のプラットフォーム間でデータをやりとりできるデータやサービスで農業におけるデジタルエコシステムの実現を目指す「ライトハウスプロジェクト」について紹介されました。また、スマートフードチェーンコンソーシアムからは、慶應義塾大学の神成淳司氏と流通経済研究所の折笠俊輔氏が登壇し、コンソーシアムが進めるスマートフードチェーンの社会実装への取り組みと、現場活用に向けた実証の取り組みを紹介しました。

「ロボット活用、データ活用によるスマート農業に向けて今行うべきこと」をテーマに行われたパネルディスカッションでは、パネリストとして北海道大学の野口伸氏、流通経済研究所の折笠俊輔氏、日本総合研究所の三輪泰史氏、鹿追町農業協同組合の今田伸二氏が参加しました。小林プログラムディレクターのファシリテーションの下、経験と勘に頼る従来農業をエビデンスに基づくデータ駆動型農業に転換する時期に来ていること、海外も含めたフードバリューチェーンにおいてデータ連携が新たなマーケットへの展開や価値訴求につながること、DXが農業や農村生活を大きく変革し、質の向上をもたらすことに加えて、データ活用による計画的な生産・出荷による生鮮流通の安定化や地域間連携に寄与するなどの見解が示され、活発な討議が交わされました。

開催概要

開催日時 : 2021年11月30日(火曜日)13時00分~16時30分
実施方法 : WEBセミナー形式によるオンライン配信
内容 : こちらのPDFをご確認下さい
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/files/symposium2021_flyerA4.pdf

なお、2022年の1年間限定で農研機構のYouTube「NAROチャンネル」で公開されています。
URL : https://youtu.be/yNPYgAGzSQs

シンポジウムの様子