掲載日 : 2022年1月20日(木曜日)
農研機構と青森県産業技術センターは、大規模な遺伝解析により、リンゴ果肉の褐変しやすさに関わる染色体領域を3箇所特定し、これらの領域を選抜するためのDNAマーカー※1を開発しました。本研究は、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「スマートバイオ産業・農業基盤技術」データ駆動型作物開発コンソーシアムの「データ駆動型育種」サブコンソーシアムの取り組みとなります。
本研究成果の活用により、染色体領域の情報から果肉が褐変しにくい個体が生じやすい両親を選んで育種集団を作成したり、DNAマーカーを利用して果肉が褐変しにくい個体を幼苗段階で選抜することができるようになります。果実をカットしても褐変しないリンゴ品種の育成に向けた品種改良の大幅な効率化が進むことが期待されます。
本技術は発表論文により公表されており、誰でも活用可能となっています。
発表論文
Kunihisa M, Hayashi T, Hatsuyama Y, Fukasawa-Akada T, Uenishi H, Matsumoto T, Kon T, Kasai S, Kudo T, Oshino H, Yamamoto T & Tazawa J.
(2021) Genome-wide association study for apple flesh browning: detection, validation, and physiological roles of QTLs. Tree Genetics & Genomes 17: 11.
https://link.springer.com/article/10.1007/s11295-021-01492-0(外部リンク : Springer Link)
関連情報
報道発表資料『リンゴ果肉の褐変しやすさに関わる染色体領域を特定 -カットしても褐変しない品種の育成を加速-』
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nifts/149533.html
(用語)
※1 DNAマーカー:DNA塩基配列の違い(DNA多型)を検出する目印のこと。