生物系特定産業技術研究支援センター
(c049) 「野菜・花卉」の害虫忌避を目的とした紫外線域高反射防虫ネット、及び防草シートの開発
事業名 | 革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト) |
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実施期間 | 平成28年~29年(1年間) |
研究グループ (研究終了当時) |
<小泉製麻株式会社単独申請> |
作成者 | 小泉製麻株式会社 藤田 勇 |
1 研究の背景
- 野菜、果樹及び花き類を栽培するハウスの高温対策(作業環境改善)が急務である。
- IPM技術を用いた農業微小害虫のハウス内への侵入抑制⇒有機栽培の推進が求められている。
2 研究の概要
- 表面にミクロな凹凸を付与することによる紫外線高反射防虫ネット及び防草シートを試作の開発。
- 紫外線高反射による微小害虫の飛行錯乱(背面飛行)現象の検証とハウス内への侵入抑制。
3 研究期間中の主要な成果
- 害虫忌避効果(イチゴ・トマト・タマネギ・大葉・ネギ・菊)ハウス周囲への全国14か所での忌避効果試験:アザミウマ類 50%~95%の忌避効果
- 収量UP(イチゴ・トマト・タマネギ)105%~120%の収量UP
4 研究終了後の新たな研究成果
- 紫外線域高反射シート(商品名:虫フラッとシート)を開発した(2019年上市)。
- ハウス内通路、イチゴ高設・土耕栽培の肩部への設置等の用途が拡大している。
- イチゴでの忌避効果に加えて光合成促進による収量アップ、色むら改善等に用途が拡大している。
- 2020年4月以降はイチゴのうどんこ病の抑制効果、ハダニの抑制で効果のあるPanasonicのUV-B照明とチリカブリダニの3つの組み合わせによるIPMの提案も開始している
5 公表した主な特許・品種・論文
- 特願 6319853号・特許名・表面突起を有する反射シート及びその製造方法並びに表面突起を有する防虫ネット用モノフィラメント及び防虫ネット(出願人:機関名 小泉製麻株式会社)
- 光反射シートによるタマネギのネギアザミウマ密度抑制効果(東北病害虫講演討論会講演)
6 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び今後の展開
(1) 実用化・普及の実績
- (メーカーとしての出荷数量 2019年3月~2020年12月)ルート:全国販売代理店、農協、篤農家、各県試験場 販売数量:21都道府県 20,555㎡
- イチゴのうどんこ病の抑制効果、ハダニの抑制で効果のあるPanasonicのUV-B照明とチリカブリダニの3つの組み合わせによるIPMの提案も開始している。
(2) 実用化の達成要因
- 産・学・官・篤農家連携、それぞれが積極的に行動して頂き高レベルのデータが蓄積出来た。
- 商品の特長+全国での試験データを併せたPR活動。
(3) 今後の開発・普及目標
- 出荷数量見込み 2021年度10万㎡ 2022年度15万㎡ 2023年度20万㎡ 2024年度30万㎡
- 全国規模で新たな微小害虫での試験を行い忌避効果を確認し特農家へフィードバック(2種類/年目標)
7 開発した技術・成果が普及することによる波及効果及び国民生活への貢献
- GAP認証拡大につながりその結果として「安全・安心」な食の提供につながる。
- 食品工場・食品倉庫等の「害虫忌避」や、高反射+抑草効果から両面採光の太陽光発電防草シート等