生物系特定産業技術研究支援センター
(c071) 完熟イチジクの香港等輸出を促進するための高品質果実生産技術及び流通技術体系の開発
事業名 | 革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト) |
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実施期間 | 平成28年(1年間) |
研究グループ (研究終了当時) |
兵庫県立農林水産技術総合センター、神戸大学、関西大学、全農兵庫、JA淡路日の出、スーパークーリングラボ |
作成者 | 兵庫県立農林水産技術総合センター 小河 拓也 |
1 研究の背景
広域流通を目指し、香港等輸出国のニーズに対応した高品質完熟イチジクを生産し、また安定的かつ低コストで輸送できる流通技術を確立することで完熟イチジクの海外等広域出荷の拡大を目指す。
2 研究の概要
イチジクにおいて透湿性白色マルチ栽培を行うことによって高糖度で高品質な果実を生産し、果実を広域輸送に改良された容器で低温輸送することにより香港など広域流通を可能にする技術を開発した。
3 研究期間中の主要な成果
- 透湿性白色マルチ栽培により安定して糖度15%以上の高品質果実を収穫できる。果実の廃棄率を8%(18%→10%)程度削減できた。
- 高品質果実において0℃貯蔵で10日程度の鮮度保持が可能となった。改良した輸送容器を用いて香港まで冷蔵コンテナでの輸送を可能にした。
4 研究終了後の新たな研究成果
- 0℃以下の過冷却温度(-2°Cまで)での貯蔵によりイチジクを低温により10日以上貯蔵することが可能になった。
http://hyogo-nourinsuisangc.jp/18-panel/pdf/h29/10.pdf(兵庫県立農林水産技術総合センター成果パネル)
5 公表した主な特許・品種・論文
該当なし
(参考:内容の一部を日本食品保蔵科学会誌面に投稿中)
6 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び今後の展開
(1)実用化・普及の実績
- 白色マルチ栽培の産地への普及(200a/年)程度
- マルチ栽培された高品質果実の百貨店への出荷(30kg/年)
(2)実用化の達成要因
研究会等での研究成果の早急な広報による成果の周知や、行政施策を活用し、研究および普及が連携した成果の活用等。
(3)今後の開発・普及目標
過冷却等新たな品質保持技術を用いた県産農産物の広域出荷技術の開発および予冷等を加えた総合的なイチジクの出荷技術の確立によるマルチ栽培面積の拡大
7 開発した技術・成果が普及することによる波及効果及び国民生活への貢献
過冷却等新たな鮮度保持技術を用いた鮮度保持期間の短い農産物の広域出荷技術の確立による地域農産物のブランド化