生物系特定産業技術研究支援センター

(4) 道産米の国際競争力強化と持続的輪作体系の両立に向けた実証

事業名 攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業
実施期間 平成26年~27年(2年間)
研究グループ
(研究終了当時)
農研機構 北海道農業研究センター、道総研中央農業試験場、農研機構 農村工学研究所、(株)クボタ、(株)ヤンマー、エム・エス・ケー農業機械(株)、北海道空知農業改良普及センター、JAいわみざわ
作成者 農研機構 北海道農業研究センター 老田 茂
連絡先 農研機構 北海道農業研究センター 水田作研究領域
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1 研究の背景

北海道の水田作において、規模拡大のため水稲乾田直播で整地等の春作業の分散化、連作障害回避のため新たな輪作作物の導入、また水田転換畑では圃場排水性の改善が求められていた。

2 研究の概要

水稲乾田直播では春作業分散化のため前年整地体系の導入、新たな輪作作物として子実用とうもろこしの導入、圃場排水性の改良では10~20万円/10aかかる暗渠整備費用の低減化を実証した。

3 研究期間中の主要な成果

4 研究終了後の新たな研究成果

  • 生研支援センター委託経営体強化プロジェクト(平成29年~31年)において、水稲乾田直播栽培の前年整地体系に高低差マップを用いた場合の作業効率化を実証。
  • 生研支援センター委託経営体強化プロジェクト(平成29年~31年)において、野菜作導入が想定される空知管内の地下かんがい整備圃場で、圃場の排水機能や吸水機能を実証。

5 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び今後の展開

(1) 実用化・普及の実績

  • 北海道央水田地帯において、「水稲乾田直播栽培の前年整地」の普及面積は約100ha、「子実用とうもろこし」の普及面積は約240ha(いずれも平成30年)。
  • 補助暗渠機カットソイラと穿孔暗渠機カットドレーンは(株)北海コーキから市販 (外部サイト)。

(2) 実用化の達成・普及の要因

水稲乾田直播栽培前年整地や子実用とうもろこしは北海道農政部の指導・参考事項となり、農業改良普及センターやJAが普及を推進、排水改良技術では施工機の市販開始が普及推進に寄与した。

(3) 今後の開発・普及目標

経営体強化プロジェクトにおいて、平成31年度に低価格なGNSS受信機を装着した均平機の実証や、全層心土破砕機も加えた排水改良ラインナップの充実と実施。

6 開発した技術・成果が普及することによる波及効果及び国民生活への貢献

水田輪作において、経営規模拡大の制限要因となっている春作業量の分散化、および子実用とうもろこしの導入や大豆湿害低減による収益性の向上。

道産米の国際競争力強化と持続的輪作体系の両立に向けた実証