生物系特定産業技術研究支援センター

(18) 落花生の超省力生産体系の実証

事業名 攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業
実施期間 平成26年~27年(2年間)
研究グループ
(研究終了当時)
農研機構 中央農業総合研究センター、千葉県農林総合研究センター、茨城県農業総合センター、松山株式会社、(有)朝日製作所、ちば農業支援ネットワーク、千葉県落花生商工組合連合会、千葉県農林水産部担い手支援課、専門普及指導室、茨城県南落花生組合、茨城県中部落花生組合
作成者 農研機構 中央農業総合研究センター 深山 大介
連絡先 農研機構 中央農業研究センター 深山 大介
メール : dai[アット]affrc.go.jp
※[アット]を@に置き換えてください

1 研究の背景

落花生栽培および落花生が輪作作物として支える地域畑作の発展を図る上で、落花生の機械化省力生産体系の確立と低コスト生産の実現が強く求められている。

2 研究の概要

落花生栽培の労働時間(10aあたり68時間)の43%を占める収穫・乾燥・調製作業の機械化を進め、落花生の超省力生産体系を確立し、実証を行う。

3 研究期間中の主要な成果

  • 落花生収穫機の反転機構の開発と最適な栽培様式を明らかにし、掘取り作業の投下労働時間を半減できることを実証した。
  • 落花生用シーダマルチャを開発し、播種作業の投下労働時間を約60%削減できることを明らかにした。

4 研究終了後の新たな研究成果

公表した主な特許・品種・論文

特開2017-176018、「農作業機」(農研機構・千葉県・松山株式会社)

5 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び今後の展開

(1) 実用化・普及の実績

  • 落花生掘取機 : 27台
  • 落花生用シーダマルチャ : 21台

(2) 実用化の達成・普及の要因

  • 落花生掘取り作業の機械化の要望が極めて高かった。また、緊プロ事業(2011-2013年度)で基本構造がほぼ完成していたため、本事業では現地試験と普及のための改良に専念できた。
  • 産地に野菜用シーダマルチャがある程度普及していたため、落花生のシードテープ播種も比較的容易に受け入れられた。

(3) 今後の開発・普及目標

シーダマルチャと落花生掘取機および今後開発が期待される自走式脱莢機の導入により、作業時間を50%以上削減する省力作業体系の普及。

6 開発した技術・成果が普及することによる波及効果及び国民生活への貢献

国産落花生栽培において、機械化・省力化がもたらす生産コストの削減、および安定生産の実現と産地の維持発展。

北部九州における稲麦大豆多収品種と省力栽培技術を基軸とする大規模水田高度輪作体系の実証