生物系特定産業技術研究支援センター

(23036) 多様な地域の飼料生産基盤を最大限活用できる飼料作物品種の育成

事業名 農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業(実用技術開発ステージ)
実施期間 平成23年~25年(3年間)
研究グループ
(研究終了当時)
農研機構 畜産草地研究所、同北海道農業研究センター、道総研北見農試、同根釧農試、ホクレン 等
作成者 農研機構 畜産研究部門 佐藤 尚
連絡先 農研機構 北海道農業研究センター 佐藤 尚
電話 : 011-857-9317
メール : hscorn[アット]affrc.go.jp

北海道立総合研究機構 北見農業試験場 佐藤 公一(チモシー「なつぴりか」)
電話 : 0157-47-2633
メール : satou-kouiti[アット]hro.or.jp

農研機構 北海道農業研究センター 廣井 清貞(アルファルファ「ウシモスキー」)
電話 : 011-857-9272
メール : khiroi[アット]affrc.go.jp

※[アット]を@に置き換えてください

1 研究の背景

粗飼料生産の安定と生産性向上のため、各地に適する飼料作物の新品種育成に取り組む必要がある。

2 研究の概要

北海道向けとして耐倒伏性と混播適性に優れるチモシー中生品種、そばかす抵抗性と耐倒伏性に優れるアルファルファ品種のほか、府県向けとして4草種の新品種育成を行う。

3 研究期間中の主要な成果

  • 標準品種「アッケシ」と比べて、乾物収量が106%、耐倒伏性と混播適性に優れるチモシー中生品種「なつぴりか」を育成した。
  • 標準品種「ハルワカバ」と比べて、乾物収量が108%、そばかす病罹病程度が優れ、耐倒伏性も優れるアルファルファ品種「ウシモスキー」を育成した。
  • このほか、ペレニアルライグラス「ヤツマサリ」、フェストロリウム「那系1号」、イタリアンライグラス「ハルユタカ」、ソルガム「峰風」を育成した。

4 研究終了後の新たな研究成果

「ウシモスキー」は既存品種より競合力に優れるが、チモシーとの混播栽培でチモシー1.8kg/10a播種に対し、「ウシモスキー」を0.3kg/10a播種することで、チモシーとの混播が可能なことを明らかにした。

公表した主な特許・品種・論文

  • 品種登録26991 チモシー品種「なつぴりか」(平成30年8月登録) (出願者名:北海道立総合研究機構)
  • 品種登録26124 アルファルファ品種「ウシモスキー」(平成29年8月登録) (出願者名:農業・食品産業技術総合研究機構、北海道立総合研究機構、ホクレン農業協同組合連合会)

5 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び今後の展開

(1) 実用化・普及の実績

  • チモシー品種「なつぴりか」
    2018年度より販売開始。現時点の普及面積は1,250ha(播種量を2.0kg/10aより推定)
  • アルファルファ品種「ウシモスキー」
    2018年度より販売開始。現時点の普及面積は1,280ha(播種量を 0.3kg/10aより推定)

(2) 実用化の達成・普及の要因

これまでの育種素材改良の蓄積に基づく優良品種の育成、新品種の増殖がスムーズに行われたこと、普及センター等による情報提供、および販売を行う種苗会社との連携、これらが揃ったためと思われる。

(3) 今後の開発・普及目標

チモシーでは良質多収な中生品種、越夏性を向上させた早生品種の開発、アルファルファでは機械踏圧耐性品種の開発に取組む。

6 開発した技術・成果が普及することによる波及効果及び国民生活への貢献

育成した飼料作物新品種の普及による自給飼料生産の低コスト化や安定化へとつながることで畜産物の安定供給に貢献する。

九州における飼料生産組織、TMRセンター、子牛育成センターが連携する地域分業化大規模肉用牛繁殖経営の実証