生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2006年度 事後評価結果

消化管ホルモン制御による安全性の高い食欲調節ペプチドの開発

研究代表者

浅野 行蔵(国立大学法人北海道大学)

研究参画機関

国立大学法人北海道大学

総合評価

当初目標を達成

コメント

大豆βコングリシニン由来のペプチド(特許公開中)画分を含む食品を用いたヒトでの試食試験により、その食欲調節効果(約45分間の満腹感維持効果)を実証し、新たにふじ豆ペプトンにコレシストキニン(CCK)分泌作用を発見して、ベンチャー企業((有)ミクロバイオテック)を起業・設立した。本事業は概ね計画通り実施された。既にベンチャー企業を設立しているが、研究開発途上にある点が多く、大豆以外の食品から得られたコレシストキニン分泌刺激ペプチドについても、市場化のためにはペプチドの同定とヒト試験が必須であり、消化管ホルモンの制御により食欲調節がなされたというエビデンスについて、少なくともin vivoの系で積み重ねていく必要がある。医療用途を目指す場合にはハードルはさらに高いので、事業計画を吟味し誤らないようにする必要がある。
また、競争の激しい領域での市場化は難しいため、今回の特許出願1件のみならず優位性を確保する上で出願準備中のものを確実に申請していくとともに、企業として成り立つための「商品化」には新しい視点が必要であり、事業戦略を誤らないようにするためには綿密な戦略構築が重要である。