生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2010年度 事後評価結果

昆布フコキサンチンを利用した食べ易い微粉末食品の開発

技術コーディネーター(所属機関)

金沢 和樹(神戸大学)

研究参画機関

  • 神戸大学
  • 株式会社日本食品開発研究所
  • オリザ油化株式会社
  • 株式会社小倉屋山本

総合評価

当初目標を達成

講評

参加機関の相互連携が円滑になされ、2つの生物系産業(投棄生昆布回収・前処理現地産業とスーパー昆布販売産業)の創出を提案し、コンソーシアムとして今後、生物系産業の創出に一定の役割を果たすことが期待される成果が得られた。特に神戸大学は基本技術である定量法を開発し、特許出願に大きく貢献した。また、フコキサンチンの知名度を上げるために学術誌に4編の総説や記事を紹介し、国内外の学術学会等での講演、食品開発展で展示を行うなど、知名度を上げる努力をした。
創出産業として、(1)投棄生昆布を回収して予備洗浄などの前処理を行う現地産業、(2)スーパー昆布をオリザ油化から買い取って小倉屋山本を含む国内外の食品企業に販売する産業、を提案している。既に、日本食品開発研究所が行ったモニター試験を経て評価の高かった15種の食品を試作し、一部のものはテスト販売している。食品開発には表示を含めて多くの規制があり、製品化まではまだ多くの段階を残している。しかし、このように成果を踏まえた新しい事業の創出に向けた努力がなされており、今後、科学的根拠に基づいたフコキサンチンの知名度向上に一層の努力が望まれる。