生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2011年度 事後評価結果

イルカ型対象判別ソナーの開発

研究代表者氏名及び所属

赤松 友成(独立行政法人水産総合研究センター 水産工学研究所)

総合評価結果

優れている

評価結果概要

本プロジェクトは、代表者が過去に「新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業」で行った「イルカ型ソナーをモデルとした次世代魚群探知技術の研究」の成果に基づくものであり、漁業や科学調査に対して実用段階にまで高めることを目的に、イルカ型対象判別ソナーの現場実証研究、機器開発及び構造推定アルゴリズム開発が実施された。実証研究においては、現場でなければ得られない海中の魚群からの反射信号の取得と対象判別の検証により、同ソナーの有効性実証やさらなる機器開発、判別アルゴリズムの改良へのフィードバックがなされ、機器開発においては、広帯域送受波器の開発、広帯域スプリットビーム技術の開発等、想定以上の成果を挙げ、種判別や判別構造推定アルゴリズムの改良に反映させた。このように、当初の経過を上回る成果が得られたと評価でき、今後は漁業者向けの魚種・魚体長判別魚群探査機への応用や資源探査への応用等、生物系産業の創出に重要な役割を果たすことが期待される。

また、これらの成果には、学会賞や学会論文賞の対象となったものも多く、同分野におけるインパクトファクターの高い一流学術雑誌等に多数公表し、4件の特許出願を行う等、質的レベルは大変高いと評価できる。