技術コーディネーター氏名及び所属
矢野昌充
((独) 農業・生物系特定産業技術研究機構果樹研究所)
具体的な研究内容
がん、糖尿病等の予防が期待されるβ-クリプトキサンチンや、がん、老化関連疾患等への効果が見出されたノビレチン等の成分について、ウンシュウミカン、沖縄特産のシイクワシャー等を対象に、疾病予防機能を解明し、カンキツ含有の機能性成分を活用した保健機能食品を開発する。
(コンソーシアムの構成)
- 機能性成分(β-クリプトキサンチン、ノビレチン、オーラプテン)に富むカンキツ系統の探索及び機能性成分蓄積機構の解明
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構 果樹研究所 - ミカンに含まれるβ-クリプトキサンチンを有効利用するための加工法の検討
(株)えひめ飲料 - シイクワシャーに含まれるノビレチンを有効利用するための加工法の検討
JA沖縄経済農業協同組合連合会 、 琉球大学 - β-クリプトキサンチンによるがん予防効果のヒトでの解明
京都府立医科大学 - カンキツによる糖尿病、高血圧症予防効果のヒトでの解明
中村学園大学
予想される成果、効果
近年、糖尿病、高血圧、ある種のがんなどの生活習慣病が増加しているが、この研究開発によりそれら生活習慣病の予防効果のある保健機能食品や機能性成分に富むカンキツ新品種が開発される。これにより、国民の健康増進に寄与するとともに、カンキツの消費拡大、西南暖地におけるカンキツ産業の発展に貢献する。中でも、シイクワシャー産業の拡大により沖縄の地域経済の活性化が期待される。
注)β-クリプトキサンチン : カンキツ類ではウンシュウミカンに多く含有される成分で、優れた生理活性が報告されている。
ノビレチン : カンキツ類に特有の成分で、各暙病予防効果が期待されている。
オーラプテン : カンキツ類特有の成分で、優れた発がん抑制作用が最近明らかにされた。
シイクワシャー : 沖縄の山地に自生しているカンキツ。そのまま栽培に利用されている。