技術コーディネーター氏名及び所属
高林純示 (京都大学生態学研究センター)
具体的な研究内容
害虫に食害された植物が出す微かな匂い成分(誘引成分)により天敵が引き寄せられ、また、隣接の植物の抵抗性が強化されることが見いだされた.モンシロチョウ、コナガ等の防除を行うため、このメカニズムを用いた天敵・害虫の行動制御技術を開発するとともに、町全体で減農薬栽培に取り組んでいる京都府美山町で実証試験を行い、減農薬害虫防除技術を開発する。
(コンソーシアムの構成)
- 誘引成分が天敵の行動に及ぼす影響の生態学的研究
京都大学生態学研究センター - 天敵の行動の解析による行動制御技術の評価・改良
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター - ガラス温室内における天敵の行動予測モデルの確立
(株)四国総合研究所 - 天敵の放飼時期等を農業者が決定するためのシステム開発
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター - 美山町における害虫と天敵の動態の解明と誘引成分の効果の検証
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター - 誘引成分等の合成法、徐放性・利便性に優れた使用技術の開発
曽田香料(株)
予想される成果、効果
害虫と天敵の制御技術を開発することにより、美山町をはじめ、全国の中山間地でも適応可能な新しい害虫防除技術が開発され、高齢化する中山間地における防除作業が軽減されることが期待される。また、農薬の使用を削減することで環境にやさしく、また消費者が求める安全な農作物生産につながる事が期待される。