技術コーディネーター
宮澤 陽夫(東北大学大学院農学研究科)
研究実施期間
平成17年度~21年度(5年間)
研究の概要
社会の高齢化で血管新生病が激増し対策が急務である。イネ(米)は我が国の基幹作物であり、我々は米の糠部に含まれる不飽和ビタミンE"トコトリエノール(T3)"に強い血管新生阻害作用を発見した。本事業では、T3高生産イネの開発、ヒト臨床試験、米糠及び米糠T3を特徴とする食品(血管新生予防食品)を開発し、特定保健用食品を目指す。これにより新しい"米"アグリビジネスを展開する。
【コンソーシアムの構成】
- 血管新生阻害など米糠トコトリエノールの健康機能解析と食品への応用
<東北大学大学院農学研究科 宮澤 陽夫> - 米糠トコトリエノールによる血管新生病予防に関するヒト臨床試験
<日本医科大学第三内科 及川 眞一> - トコトリエノール高生産イネの探索と育成
<富山県農業技術センター 村田 和優> - トコトリエノール分離技術の開発及びトコトリエノール高生産イネの生産体制の構築
<農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター 木村 俊之> - 工業化に向けた高純度米糠トコトリエノールの製造システム開発
<オルガノ株式会社 増田 隆之> - 米糠食品及び米糠トコトリエノール強化食品の製造技術の開発
<三和油脂株式会社 天野 義一>
期待される成果、効果
本事業により、血管新生病予防に関する60億円程度の新規米T3産業が創出される。高齢者の健康維持への貢献はもちろんのこと、世界規模で増大する医療費の抑制につながる。また、新たな米利用の拡大が望まれる中で、需要拡大の起爆剤となる。