技術コーディネーター
浦島 匡(帯広畜産大学大学院畜産学研究科)
研究実施期間
平成17年度～21年度(5年間)
研究の概要
酪農産業における未利用資源としての初乳を回収する。初乳には感染から体を保護する機能物質, 免疫を強化して疾病にかかりにくい体質を作る機能物質などが含まれているが、とくにシアル酸含有オリゴ糖の新たな生理機能を解明し、その利用技術を開発する。またシアル酸含有オリゴ糖を取り出し、化学修飾して機能性を解析する。これらの研究成果を活用して飼料添加物, 機能性食品素材, 医薬品素材を開発する。また初乳に含まれる新たな生理活性ペプチド・蛋白質を探索する。
【コンソーシアムの構成】
- 初乳に含まれる生理活性ペプチド・蛋白質の探索とその利用技術の開発
<帯広畜産大学大学院畜産学研究科・浦島 匡> - 初乳に含まれるシアル酸含有オリゴ糖の大量調製技術の開発と機能性食品素材としての利用
<ニュテックス株式会社・橋本修一> - シアル酸含有オリゴ糖やそれを加工した人工ガングリオシドによる原虫感染防止技術の開発
<帯広畜産大学原虫病研究センター・五十嵐 慎> - シアル酸含有オリゴ糖などの感染防止機能や免疫調整機能を活用した家畜疾病制御技術の開発
<独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構動物衛生研究所・磯部 尚> - 化学修飾したシアル酸含有オリゴ糖の生産技術とその利用技術の開発
<北里大学理学部・寺林隆志> - 化学修飾したシアル酸含有オリゴ糖からの抗インフルエンザウイルス剤の開発
<東光薬品株式会社東京研究所・森田 稔>
期待される成果、効果
北海道内では、年間1.6トンのシアル酸含有オリゴ糖が初乳から得られる。これらを活用して、抗インフルエンザ関連医療素材, 原虫感染予防・治療剤, 機能性食品素材, 免疫強化飼料などが開発される。初乳供給・利用基地として北海道経済基盤活性化に貢献できる。
